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皆の広場自叙伝→大地松蔵
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六 あ と が き


  今年は戦後五〇年にあたります。以前から体験記を出したいと思っていました。
  今は亡き小林茂氏からも、「大地さんほど戦争その他で苦労してきた人は居ないと思う。ぜひ体験記を書いて本にしてほしい」と言われていました。
 戦後五〇年を機会に、ようやく本にまとめることに決心しました。私は大正四(一九一五)年生れですから、満八〇歳を越えました。一度病気で三か月 余り入院いたしました。やはり年には勝てません。気力・体力とも衰えを感ずる今日この頃です。
  平成七(一九九五)年は、阪神大震災の後オウム真理教事件等と、今までにない大事件がおこり、毎日のニュースをわかしています。それにしてもオウム真理教ほど、奇怪なわかりにくい事件は他にはありません。とても宗教とは考えられません。人の命を奪って悔いないとは、なんということでしょう。
  戦争もおなじです。世界からは、まだ戦争が無くならないのはどうしたことでしょう。人を殺しあうということは、どんな理由であろうと正しいはずはなく、真理とはほど遠い ものです。
  平和な日本でありたい、平和な世界でありたい。過去の戦争の償いとは、やはり民主的な平和な日本を築きあげることでしょう。
  「二、二六事件」からはじまる軍隊での体験記、 戦後の混沌から力強く立ち上った厚生会での経験、町議選出馬等、波瀾の人生でしたが、士官学校で鍛えた精神力を発揮し、二四年間の選挙の苦労を思い出し、斎旅団長の信仰である「己の我を 捨てよ」をモットーとして、拝む心で謙虚に余生を送りたい。
  回想記の編集・出版に当って、弟の高木俊雄には大変な御苦労をおかけしました。また校正などで三浦和作・啓作兄弟にもご 協力を頂きました。厚く御礼申し上げます。

               平成七年八月                  大 地 松 蔵
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