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おわりの言葉
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私は此の本を書くに臨んで、ボケ除けの一助にでもなればと思い、神経を集中して、漸く終りに近付いた訳でありますが、ボケ除けのつもりが、ボケ誘発になりそうで、困って参りました。やはり此の年齢で書く事は、無理なのではあるまいか、ボケ誘発かと思ったのは、次の事で御座います。 　本年一月二十七日と二十八日は老人クラブ会長、各地区会長の懇親会で、会議は午後一時三十分からなので、午前中は此の記事を書き、午後十二時二十分頃通過のバスで出掛ける事にしました。 　今度は新年宴会を兼ねての懇親会故、普段の外出用の服で無く、洋服で行きましょうと思い、箪笥から服を出して着用、ネクタイを締めにかかった処、結び方を忘れてしまい、どうしても結ぶ事が出来なかった。其のうち時間が経って来ましたので、ノーネクタイでバス停留場へ急ぎ、相川へ出て、会議に臨んだ訳で御座います。 　今一つは、目の手術に入院中のぱあさんが、明二十八日に退院すると、辰乃が知らせてくれました。其の時、まり子の子供彩夏の名前を書いて持って来たが、私が今度の本に、家系図を書いて入れたら判り易いのではあるまいか、と思って書いた一枚を、手に取って見て、じいさん、辰乃の「の」が違うでは無いか、と言うではありませんか、良く見たら、野原の「野」を書いてあり、我が子の名前の字さえ忘れると、お目玉を貰った次第で御座います。こんな具合ですから、ボケ除けどころではなさそうで御座います。其れ故に文中にも、色々と間違い字や文言があるかも知れませんが、適当に直して読んで下さい。 　最後に一事書き加えます。平成三年七月二十五日、集落自治の発展と農林業の振興に尽力したとて、相川町長、和倉政三様より表彰を受けました。 追記 　私は子供の時、小学校に上がった頃、関東大震災の映画を見ましたが、忘れもしない大正十二年九月一日で御座いました。浅草の真ん中に、白いビルが建って居りましたが、此れが真ん中からポッキリ折れて居りました。浅草の十二階ビルと言って、高層建物では、日本でも早いものであったと思います。辺りの人家は皆燃えてしまって、折れたビルだけ不気味に建って居りました。今度の震災は、関東大震災以上の被害の様で御座います。 　　平成七年一月十七日、午前五時四十六分、淡路島海底より発生した地震は段々拡がり、死傷者、行方不明者増加し、遂に兵庫県南部地震となり、其れに又々増大して阪神大震災となり、平成七年一月三十日、午後十時四十五分の発表では、死者五千九十六人、行方不明者十三名、負傷者二万六千八百一人、倒壊十万三千五百三十八戸と発表されました。死者は五千四百人を突破するのでは無いかとの事で御座います。 　本当に被害者の方々にはお気の毒と申すより言葉が有りません。一日も早い復興を願って止みません。 　　　　　　　　　平成七年一月三十一日 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　杉山万平
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